10野辺山ウルトラマラソン完走記~第2章~安らぎの稲子湯を離れコースは急な登り坂に差し掛かる。眼下に稲子湯の屋根を見ながら進んで行く。 結構な勾配ではあるが、心拍数160以内では登れるようだ。少しでも歩かず、走りのフォームを維持する。 ここでもお客さんを見つけてお話をしながらゆっくり行く。まもなく下り坂のスタートだ。 大きく右に曲がるといよいよ50キロまでの下り坂。 2年前は膝が痛く、後ろ向きに下りた道だ。 今回は先程までと同じように、骨盤から前へ、脚は真下にフラットに、少し前傾、そして心拍数は140前後に抑えることを基準に下り始めた。 幾重にも繋がるヘアピンカーブが終わると、長い見渡せる下りに変わる。 40キロ地点にトイレがあるので、利用しようと思ったが列があったのでここもパス! スタートからすでに約5時間。ここまでトイレに行かないのは、やっぱりショッツワイルドビーンのおかげ? 40キロ 4時間46分34秒 40分40秒 稲子湯の休憩を加味しても速い! しかし、30~40キロで70分と思えば、速すぎることはないと修正して、次の5キロで35分の目標を立てた。 要は飛ばし過ぎに注意を払いたいのだ。 そして40キロ過ぎからは、車道ではなく土の歩道を走った。 これは少しでも負担を減らすため。足元に少し気を使うが、焦らずゆっくり走るようにした。 この土の歩道か約2キロあり、42キロのゴールが見えてきた。 あくまでも42キロは通過点ですよ!とクリニックでは話している。5キロごとにペースを把握するのが得策だ。 と言うことで、そのまま通過する。その先にエイドがあるのも見えていた。 ゴール地点の分岐にはたくさんの応援の方がいる。 また見下ろすとゴールした多数のランナーが芝生で脚を伸ばして休んでいた。少し羨ましく思いながらも通過した。 そしてエイドにある仮設トイレが1つしかないのに空いてる!ラッキー!今まで我慢して良かった。 待ち時間0で入り、3分で済ませる。昨日の弁当のせいか、くだってはいないがゆるかった。 しかしお腹が痛いとかではなく全く問題なし!その後エイドを利用した。 まもなく5時間。午前10時。徐々に太陽の陽射しの強さが身に染みてくる。 まだ被り水はなくバンダナをコップの水で濡らし、さらにタイツやソックスにも水を掛ける。もっと浴びたいなあ。 これからなかなか日陰はない。標高が下がるを考えればもっと暑くなる。 本店林くん情報では50キロ過ぎは風がなくなり、物凄く暑くなると言うことも聞いていた。脱水注意だ! 松原湖まで下りはまだまだ続く。そして振り返れば八ヶ岳の姿がハッキリと見える。 あ~なんて贅沢だろう。そんな下りで独り言ムービーがこちら! 距離にして50キロのエイドに到着するまでは下りだ。残り8キロ。時間にして約1時間と言った距離だ。 まずは急な下りは国道にぶつかるまでなので、ゆっくりと下りていった。 松原湖周辺には一部急な登りがあるがそこは歩いて登り、再び下る。 45キロ 5時間28分03秒 41分29秒 このラップはトイレ&エイドで5分は使っている。それなのに41分台は走れている証拠だ。 まだまだカラダに変化はない。 ショッツはあと2本分くらいを残す程度に減っていて、やっぱり58キロまでもつか心配だった。 46キロ地点、国道にぶつかる手前にエイドがある。信号は青だったので、次で渡ろうと立ち寄る。 ここでようやく子供プールに水の張ってある被り水が登場した!ここぞとばかりに、何度も脚に掛けた。 下りで足の甲の上部分に負担が掛かっていたので、柄杓でNEWTONにガンガン水を掛けた。 シューズは濡れても中にはシルク5本指を履いているので、マメの心配はない。いつの間にかサラッサラだ! そしてバンダナも雑巾のように濡らして絞り、いつものスタイルになる。 なんだかんだで信号はまた青に!(汗)まあゆっくり行こう、次にしようと決めて、水を飲み塩熱サプリを噛んだ。 国道沿いを進んでから踏み切りを渡り、千曲川を渡る。千曲川と言えば、想いを寄せる『川の道フットレース』のルートだ。 ランナーはあの国道を走って来るのだろうか? いつの日か葛西臨海公園からここを通過するのだろうか?写真に風景を刻み、50キロを目指す。 この先は緩やかな下りになり、飛ばし過ぎの心配はない。 しかし心拍数を148前後で意識してペースを刻む。 ランナーの列はまばら。しかし50キロのお蕎麦エイドでは列ができているだろう。 2年前の記憶を辿りもうすぐ50キロかな?と思うがなかなか出てこない50キロ。 信号待ちを1つしてから、再び走り出すとまもなく50キロだった。 50キロ 6時間00分12秒 32分09秒 タイムを見ると、平坦に近い下りになってかなり走り易かったのがわかる。もちろん心拍数は上がっていない。 この50キロは手打ち蕎麦が有名。 こんなにお腹が空いているのに食べない訳にはいかない。長~い列の最後尾に並ぶ。 10分くらい掛かるかな?前後のカップルランナーの方と会話を交わす。ブースでお買い物をしてくれたのだ。 さらにアートのお客さんともお知り合いでの3ショットを撮影! ここまでの経過とこれからの計画についてアドバイス! まず50キロ6時間はかなり貯金!予定よりも30分も速い到着だ。 しかもこれはゴールタイム13時間30分計画。 この先は5キロ45分のラップを気にしていけば、13時間30分以内には行ける計算だ。まだまだ余裕がある。 お蕎麦の列は長く、ちょうど僕の手前でなくなった!まあ茹でたてを食べられるんだから、じっくり待とう! 蕎麦をオススメするお母さん達との会話も弾む。 『このお蕎麦を食べたら、来年も絶対来たくなるよ!』正味8分待ちの手打ち蕎麦! これは旨い!すごいコシ!蕎麦の風味も喉ごしも最高だ!並んだ甲斐があるってのはこういうことですな。 お蕎麦待ちの列は長く、時間ロスを考えパスする人もいる。 確かに10分近く待つも思うと長いが、これは食べる価値あり! 並んでいる間には、プールの水を掛けたりしながら時間を使う。 食べる時間はあっという間だけど、それにしても美味しかった! すると安田さんと小暮さん登場!小暮さんは42キロでも八峰の湯に入っていたと思われる。 安田さんはお蕎麦行列をクリアして食べていたが、お先に行かせてもらった。 さらにクリニックに参加頂いたお客さんを見つけお話。後半も頑張りましょう! さてスタートを切ろうとして、時計に目をやると6時間13分を過ぎていた。 並んでいた時間と到着の貯金を考慮しても、許容範囲の休憩だった。 さあ行くぞ!まずは58キロの北相木村着替えエイドだ! ここからガツン!と登るわけではない。 やや平坦が多い中、徐々に上がっていく。この辺りが無風地帯となり、体感気温は25℃くらいだ。 少しでも風を感じれば違うのだが、もう気分は夏!時刻も12時に近くなっているので仕方がない。 ここでは無理をせず、45分掛かってもいいと思って進む。リズムを取り戻すのが優先だ。 そしてお蕎麦の13分を考慮して60分掛からなければ良しとした。 55キロ 6時間56分35秒 56分23秒 計画通りにパスするも折り返しの分岐手前のエイドでは、何度も脚やバンダナを濡らしてカラダを冷やした。 濡らしてもすぐに乾いてしまうのだ! 58キロまではあと3キロ。25分と思って気合いを入れる。 ここまではエイドでの休憩はあるが、歩いてはいない。しっかりと走っていこう! 折り返しのランナーの中にお客さんを見つけながらの走り。 サロマ湖のワッカと違い、道路の反対側の歩道を走るのでなかなか声は届かない。 しかし僕のバンダナ姿やピンクシャツを目印に結構な人数に声を掛けて頂いた。これがパワーになる。1人ではない連帯感が嬉しい! その中にも本店の林くんを見つけた。『厳しいです~!』との声があったが、かなり速いようだ。 折り返して60キロの地点を過ぎたので、あと2キロくらいで折り返し。 エイドに着けばスペシャルドリンクが摂れる!それを楽しみに、頑張った。 ようやく58キロの北相木の着替えエイドに到着した。暑さと登りを頑張っていたので、体力の消耗が大きい。 到着と同時に過去くびき野やサロマ湖などお会いする中島さんが出発。 20キロまでの登りで抜いて、お蕎麦待ちで追い越され、ここで追い付いたがまだまだ差は縮まらないようだ。 スタート地点で預けた荷物を貰い、まずはでっかいプールに直行! ここは建物の脇なので、風が通る。少し冷えを感じながらも何度となく水を浴びた。 また消耗が予想よりも激しく、座り込む時間が長くなったが、まずはスペシャルドリンク!と言うことで、準備に向かう。 富士五湖では51キロのスペシャルを無理矢理飲んだがカラダが受け付けなかった。 今回はあまり固形物を積極的に摂っていなかったので、プロテインは噛むようにゆっくりと飲み干した。 それ以外にもバナナをひと切れ食べた。 またまた安田さんと小暮さんが後から到着! 小暮さんは『71キロまでの間に曇ってくれないかな?』と言っていたが、皆その気持ちだったと思う。 この陽射しの状況で、預けていた着替えに関しては変更せず、引き続きファイントラックを使用。 新しいフラスクにショッツベリーバナナ3本とベスパハイパーが2つ入っている物に入れ替えた。 これからはベスパが効いてくれるか? 時間はあまり気にしなかった。13キロ先の71キロ地点の通過予定は9時間30分。 まもなく7時間30分と言うことで、あと2時間ある計算から体力の回復に努めた。 それでも10分ちょっとだっただろう。 最後に荷物を預け、プールの水でカラダを濡らし60キロへ向けてスタートした! 走り出してからは向かい風を感じる。カラダを濡らしているせいもあり冷たく感じるが、これでちょうど良い。 日陰になる場所もなく、いつの間にか乾いてしまうからだ。 カラダの疲労感に関しては、回復した感じではある。 下り中心なので140前後で推移。折り返しを目指すランナーに声を掛けながら進む。 60キロ 7時間43分13秒 46分38秒 おっ!登りと着替えエイドを挟んだ割には速いラップだ。下りで相当走れているのか? 感覚として無理はしていないなぁ。 10分休んだにしても36分か・・・(このタイミングで速いところを修正すべきだったと今、反省。60キロを過ぎて当然体力は落ちているはず。それを同じ心拍数で保つのは無理があるからだ。) まずは分岐点まで戻り、いよいよ71キロまでの登坂に差し掛かる。 分岐点には2年前のゴールシーンを撮影してくれたYさんが応援してくれて『速い!速い!いいタイムで行けるんじゃないの~!』 『13時間30分の計画です!頑張ります!』と自信を持って答えた! が、しかし・・・。 登り坂に入るとパタッと脚が止まった・・・。 大きく息を吐き、新鮮な空気をたくさん吸い込む。 あと8キロが登りか・・・。ここで不安がよぎる。 でも2年前はゆっくり走れてキロ8分だったんだから、大丈夫なはず! なるべく歩かず、休憩を挟みながら進もう。こんな時はやっぱりショッツ&塩熱サプリ!これに頼るしかない! 65キロ 8時間23分06秒 39分53秒 まだまだ緩やかな坂道なので、ペースは極端に落ちることはなかった。 下りの途中、私設エイドで水浴びしたのを含んでも悪くない。 58キロのスペシャルドリンクが効いたかな? さてあと6キロ。67分。予定の9時間30分以内にはパス出来そうだ。 到着したエイドではまずトイレ休憩。これでトイレは42キロ以来2回目。 約4時間に1回ならばかなり少ない方でしょう!それには秘密が! 主食として飲んでいる『ショッツ エナジージェル ワイルドビーン』はカフェイン80mlが入っている。 通常カフェインには利尿作用があり、トイレが近くなるイメージがありますが、確かにそうです。しかし人間のカラダは上手くできていて、運動中にカフェインを摂取すると『抗利尿ホルモン』が分泌され、逆にトイレが遠くなるんです!是非お試しを! と言うことで、久しぶりのトイレ休憩は小で済ませる。 少し暑さにやられ始めたか?富士五湖の本栖湖状態に近い・・・。 脱水か?いや少し休めば行けるはず! ストレッチをしながら補給し休んでいると、クリニックに参加頂いたカップルの方が! なかなか順調なようで、ここから45分ラップで、走れるところはちょこちょこ走らないと!とアドバイス。 先に僕がスタートするも、急坂を前に気持ち悪さに襲われた。 しかし食べていないので、出るものもない。 ムカムカ感をなくしたかったので、後続のランナーが途切れた側道の隅で・・・。 これはこの先付き合っていかなくてはいけないなと覚悟して、気持ちを切り替える。 かなり急坂なので、歩きと走りを混ぜながら進む。 片手にはやはりフラスクを持ち、チビチビ補給は欠かさない。 必ず走れる坂道も出てくるので、我慢のしどころだ。 70キロを過ぎてしまえばあとは30キロ!気持ちを前へと押しやった。 富士五湖ではあそこまで回復したのだから、絶対に大丈夫だ! 70キロ 9時間17分58秒 54分52秒 ここは2年前もそうだったが、70キロの表示がずれている。 71キロのゴールまで6分掛からず行けているので、ここは51分とみてよい。 そのまま71キロへ流れ込み、9時間23分でゲートを通過した。 気分的にはもう止めたかった・・・。そして座りたかった。 お蕎麦を頂き、なんとかゆっくり流し込む。 食べないとダメだ!と思いつつ、なかなかバナナなども喉を通らない。 安田さんと一緒になり、作戦会議。 『まずここは9時間30分でスタートしたいですね。あ~キツイ。』 『馬越の手前は平坦もあるから。』 『とりあえずキロ9分で行ければ大丈夫なので、キツイけど行きますか!』 フラフラとした足取りで71キロを歩いて出発した! 馬越峠のてっぺんは79キロなので8キロある。予定では10時間40分だが、進めるだろうか? なかなか走るまで気持ちが上がってこない。脱水ではない。低血糖の症状だろう。 時折、ガードレールに手を掛けうずくまった。ショッツを飲んで、リズムを作っていくしかない。 安田さんには『走れば8分では行けるので、先に行っていてください!』と伝えた。 復活までに少し時間が掛かるが、絶対に回復する自信があった。 また先に安田さんの姿を確認することで、自分のペースも確認できる。起き上がり、まずは登り坂を後ろ向きで歩く。 すると冷たい風を感じることができるのだ! 大きく手を広げながら全身に風を受けて、カラダを冷やす。もちろん、冷風ではないが火照ったカラダを冷やすには十分だった。 そして前を向き、走り、歩くを繰り返す。 馬越に比べればまだまだ緩い勾配なので、この先を考えると歩きっぱなしではいられない。 前方に私設エイドがあり、安田さんが立ち寄っている。 カラダを冷やしたいので、水の補給に立ち寄った。するとお客さんだった! 『あら、鈴木さん色々出てますね!今650人くらい通過しましたよ!』との情報が。 参加人数はどれくらいだったっけ? 自分のナンバーが1663だからまだ半分も通り過ぎていないのかな?などと考えながら進む。 そして馬越峠手前のエイドで安田さんと合流。 またタイツを濡らし、CEPを濡らし、バンダナを濡らし、NEWTONにも水を掛ける。 エイドのおばあちゃんに『そんなに濡らして寒くないの~?見てる方が寒くなっちゃうわよ~』と言われるくらいだった。 いよいよ馬越峠に入るが、ようやく75キロが見えてきた。 75キロ 10時間10分37秒 52分39秒 71キロでの休憩が約8分あったのを考えると、この体調であってもキロ9分で刻めているのを確認できた。 また71キロで残り30キロとして4時間30分残し、キロ10分の計算だった。 実際は71キロ。この1キロが大きい。プラス8分と見ることができるのだ。 この8分があるとないではかなり違う。最後の貯金に十分なる。 さあここから79キロまでの4キロがすべて登りとなる。 馬越峠を前にしてやはり走れる登りは走りたい!あとはカラダが付いてくるかだ。 安田さんは猛ダッシュして一気に登っていく。カーブの度にその姿は見えなくなった。 こちらは歩幅を小さくして腕を振ってカラダを前に運ぶ。 歩いている人がほとんどの中、あまり変わらないが走り、歩きを繰り返した。 四万十川の堂が森を彷彿させる少し暗がりの中。まばらになったランナーの列が坂を登る。 少し前に上を見上げ『あの木と木が離れているところがあるでしょう!あそこが峠の頂上ですよ!』 ベテランランナーの方が指差していた。その頂上は遥か上。気分的に辛かった。 少し走っては歩くにしても呼吸が上がってくる。 周りには歩いているだけの人が多く、その人達にもすぐ追い付かれてしまう。 しかしなんとか走っているリズムを刻むことが、登り切ってから!いや、下り切ってから意味があることを信じていた。 歩きの癖は走り出す気力を削いでいく。また下りになって飛ばせば痛い目にあうのはわかっている。 如何に馬越峠をクリアしてからゴールまでの平坦や登りを走ってクリアするかだ。 ここはなんとか我慢しながら進み、エイドに到着した。 ラップは75キロからまもなく20分経過している。 エイドの距離表示が頂上まであと半分を切っていて欲しかったが、まだ77キロには達していなかった。 厳しい!キロ10分以上掛かってるのか? 日中よりも少しずつ太陽が傾き始めて来る時間なのではあるが、カラダはまだまだ熱い! エイドではまたまた水を掛けて冷やすことに専念。 少しイスに腰掛けてショッツを摂り、大きく深呼吸してからスタートした。 まだまだ2キロ以上あるが、ここにきて少しだけだが、登りが緩やかになってきた気がする。 しばらく進むと、視線の先に白いガードレールが緩やかに続き、なんとなく終わりが見えてきたようだった。 歩いているのにハァハァゼィゼィのレポート。ようやく79キロの馬越峠の頂上に到着した! 79キロ到着は10時間55分くらい。75キロからの4キロで45分掛かっている計算だ。 頂上に到着すると、先に行った安田さんがいた。 待っていてくれたのかな?と思いつつ、これから下る眼下の道をバックに記念撮影! この先は80キロ。まもなく11時間になるので、キロ9分の貯金は作れない。 なんとか早く80キロに到着しなくては!11時間で通過したとして、サロマ湖のワッカ原生花園の中と同じだ。 野辺山の方が最後に登りがあるので、キツイだろう。 しかし79~85キロまでは下りなので、リズム良く走れれば40分でクリア出来るはず! 再びキロ9分の貯金が残るように走ろうと決めた。 安田さんに『先に行きます!ギリギリなんで!』と言い残し下りに入る。 まずは80キロ、時計は11時間を経過したところだ。 80キロ通過予定は11時間07分と思っていると。 80キロ 11時間05分57秒 55分20秒 と、意外に速かった。頂上での休憩を含めて55分なので、走りの中ではキロ10分での計算が成り立つ。 さて先にも書いたように、問題はここからの下り坂。 前半の小海までの下りも注意して走ったが、脚が疲れている時の下り方が重要だ。 しかし、重要と言っても前半の走りを繰り返すで問題ない! 前半のダメージを考えても決して間違っていなかったからだ。 『ブレーキを掛けずに骨盤から前へ、脚は真下にフラットに、少し前傾の倒すイメージ』 後方からは次々とランナーが飛ばしてくる。そしてあっという間に僕を交わしていく。 止まれなくなっちゃった?と思うようなスピードの人もいる。 一方、道端で膝にテーピングを施すランナーもいた。誰もが下りに対する不安を持っているのだ。 僕は前半よりも心拍数が上がらないので、数値は気にせずに感覚だけで走る。 それでも負担の掛かる下り坂なので、呼吸が上がると敢えて歩きを入れてリカバリーを取る。 エイドに到着するとトイレ休憩。と言っても小だったので、1分足らずで済ますことができた。 徐々に開けてくる視界。山の中から畑、そして住宅地へと変化していった。 安田さんと合流し、『次のエイドは85くらいにあるんですかね?』と話していたが、スタッフに確認すると87キロまでないらしい。 山道を下り切ったところに85キロが見えてきた。あと2キロでエイドだ。 85キロ 11時間44分48秒 38分51秒 ヨシ!予定通り!キロ9分の貯金ができた! この先の注意点は87キロの出発時間だ。あまり長居はできない。着替えもトイレの時間もない。 あと2キロは川沿いを走る平坦な道だ。そこをなんとかキロ7分でカバーして12時間では到着したい! ここからはもう走って歩いての繰り返し!街灯2本分走って1本分歩く。 距離にしたら2本で100メートルもない。 しかし、ゆっくり走り続けるのは僕のスタイルではないのだ。 リズムが良くなってくれば、そのまま300メートルでも先に行ける。 そして50メートル休みまた300メートル!とインターバルを繰り返すのだ。 それでも今回は安田さんに置いていかれた・・・。 ようやく87キロが近づいてきた。 安田さんは昨年ここを13時間で出発し、98キロでタイムオーバーになってしまったのだ。 今回はなんとしても!の気迫が伝わってくる。 到着後、荷物を受け取るが真っ先に空いたイスを探す! インターバル走法の結果、低血糖になりやすいので少しでもカラダを休ませたい。 安田さんがうどんを持ってきてくれた。 しかしまず準備したのは、最後のショッツが入ったフラスクの交換だ。 58キロでピックアップしたショッツベリーバナナは完食! ラスト13キロ分のショッツワイルドビーンを確実にウエストポーチに入れた。 最後の切り札スペシャルドリンクは、この状況だと戻してしまいそうだったので、パスした。 この状況とは、もちろん時間がないことと、安田さんが持ってきてくれたうどんもなかなか口に入っていかなかった事だ。 無理してもいけない。そんな思いで、最後をショッツに託した! 90キロまではあと3キロ。90キロを12時間30分で通過しなくてはいけない。 ここからは登り坂と認識しているので、3キロ27分の計算。 と言うことは、ここを12時間03分には出発しないといけない。 が、時間は刻々と進み12時間06分に腰を上げた。 そしてプールの水を被りスタートした! 2010野辺山ウルトラマラソン完走記~最終章~ ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|